H邸 要塞に包まれた光の家

一見すると閉じた印象を受ける外観。しかしその扉を開けた瞬間、想像を超える開放的な空間が広がる住まいです。
外周部には大きな窓を設けず、プライバシーを徹底的に守りながらも、住まいの中心に光と風を取り込むことで、明るさと心地よさを両立させました。

この住まいの核となるのは、建物内部に設けた中庭と吹き抜け空間。
上部から降り注ぐ自然光が白を基調とした室内にやわらかく反射し、時間帯によって表情を変える光のグラデーションを生み出します。外部に開かずとも、空とつながる感覚を日常の中で味わえる設計です。

LDKは吹き抜けによる縦方向の広がりを活かし、視線が自然と上へ、奥へと抜ける構成に。
点在するペンダント照明が空間にリズムを与え、昼は自然光、夜は照明による陰影が、静かで洗練された雰囲気を演出します。

外部からの視線を遮ることで、カーテンに頼らない暮らしも実現。
光と風、そして家族の気配が住まいの中心に集まり、外に閉じながらも内に大きく開いた、これまでにない住空間が完成しました。

外観からは決して読み取れない、内側に広がる豊かさ。
都市部や住宅密集地においても、心からくつろげる住まいの新しい在り方を提案する一邸です。