こだわりの家づくり

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屋上庭園はなぜ後悔ポイントになる?建築家が解説

こんにちは、CUSTOM HOMEです。

「屋上庭園」に憧れる方は多く、最近は、屋上庭園を売りにしている住宅会社も登場しています。

しかし、実際に暮らしてみると、「こんなはずじゃなかった…」と後悔する人が多いのも事実です。

家を建てる前は、いい部分しか見えないもの。どんな点が後悔ポイントになっているのか、建築家が専門家目線で解説します。

また、屋上庭園に憧れている方に向けて、代替案としてのアイデアもお伝えします。

屋上庭園の代表的な後悔ポイント10個

雨漏りリスクがある

屋上庭園にすると、屋根とは違い、家の上部が水を受け止める形になります。そのため、雨漏りリスクが上がります。

優れた性能を持つステンレス(金属製)の防水加工をすれば、錆びる心配はありませんが、コストが高くつきます。

たとえば、延床30坪、建坪15坪、屋根面積15坪の住宅で、防水加工して屋上庭園を作るだけで、条件にもよりますが200万ほどのコストがかかります。これにデッキ、タイル、パーゴラなどを加えてリゾート風にすると、あっという間に500万近いコストが発生します。

かといって、中途半端な防水加工をすると、どこから雨漏りしているかがわからず、仕上げを取り払って防水加工を一からやり直さなければならなくなります。

防水加工のメンテナンスは数年に1回発生するため、手間もお金もかかります。

安全にするにはコストがかかる

屋上庭園は意外と危険です。子どもたちを遊ばせたり、ドッグランを作ったりするなら、塀を高くしなければなりません。

外壁材の規格サイズは、基本的に45cm規格なので、45cmより高くするには、もう一段積み上げる必要があります。カットすることで高さを調節することは可能ですが、コストは単純計算でも倍になります。

また、塀が高くなるほど、風の影響を受けやすくなります。そのため、3階を作るのと同じくらい頑丈な構造にしなければならなくなるケースも少なくありません。

内装材である壁紙やフローリングと比べて、雨にさらされる外壁材はコストが高く、同じ1坪でも単価がかなり上がります。一般的に、塀の仕上げにはクロスと比べて10倍以上のコストがかかります。

屋上は風が強い

地形にもよりますが、屋上は風が強く、過ごしにくい場所です。特に、周囲に2階建ての家が多いほど、風が強くなります。洗濯物を干したら飛ばされてしまい、二度と干さなくなったという話も聞きます。

強風の影響を甘く見るのは危険です。屋根の構造を考える時、積雪などを考慮して荷重を計算しますが、実はそれだけではありません。強風によって屋根が吸い上げられ、飛ばされるリスクの方が大きいのです。そのため、構造上問題ないかをしっかり計算します。
屋上の風は、想像以上に強いと心得ておきましょう。

意外とプライバシーがない

屋上庭園はよく「家族だけのプライベートな空間」として紹介されています。しかし、実際に使ってみると、意外とプライバシーがないことに気づくでしょう。

高低差のある土地だと、屋上庭園でも、別の家の2階から丸見えということが多々あります。また、高低差のない土地でも、近くに3階建ての家が建ったら、お互いの視線がかち合います。すでに隣の家が建っていても、建て替えで3階建てになる可能性もあります。もし近くにマンションが建ったら、上から見下ろされます。

視線対策として窓の高さまで塀を高くすると、開放感がありません。

また、視線が気になる方向に向けてルーバーをつけるという手段もありますが、ダイレクトに風を受けるため、頑丈に作らなければなりません。そのため、ここでもコストがかかります。

階段を往復するのが大変

2階建ての戸建て住宅では、1階にLDKと水廻りを作り、2階に主寝室と子ども部屋を作ることが一般的です。

そうなると、屋上庭園でBBQをしようと思ったら、キッチンから食材を運び、土間収納からBBQセットを運び…というように、何度も1階と屋上を行き来しなければなりません

屋上庭園で過ごすことを前提に、2階LDKにしたとしても、たとえ1階分でも食材や食器を持って階段を上り下りするのは疲れるものです。

準備の時はまだ楽しくても、後片付けとなるとさらに大変です。満腹になった子どもたちは眠ったり遊び始めたりしてしまい、大人だけで汚れた食器を何往復もして片付けなければなりません。

屋上庭園でBBQというとつい楽しそうな映像が浮かびますが、準備や片付けなども考慮に入れておく必要があります。

ガーデンファニチャーは扱いが大変

リゾート風のガーデンソファに憧れる方も多いでしょう。

ガーデンソファの本体は樹脂でできていますが、それだけだと座り心地が悪いため、使う時だけクッションを出してセッティングするのが王道です。

しかし、そうなると、雨のたびにクッションを片付けなければなりません。雨季と乾季が明確に分かれている気候や、スコールのように風をともなわず雨が降る場合は、管理もまだ楽でしょう。

しかし、日本の気候はガーデンファニチャーに適していません。天気の移り変わりが激しく、夕立など突然の雨も降ります。横なぐりの雨だと、屋根だけで防ぐことはできません。

結局は、クッションを日頃は片づけておおくことになります。そうなると、一式すべて用意して運び、セッティングしてからでないと、屋上庭園でくつろぐことはできません。それでも、急な雨の心配は残ります。

ジャグジーに入る前は掃除が必要

屋上庭園にジャグジーをつけられるプランもあります。しかし、風が強く色んなゴミが飛んでくるため、ジャグジーに入る前には自分で掃除しなければなりません。

ホテルなどのジャグジーは、人の手で管理され、掃除をお任せできるからこそ優雅で豊かな時間を過ごせるのです。

自宅にジャグジーがあると、たまにしか使わないジャグジーのために掃除の時間を取られることになります。

排気ガスの影響

幹線道路の近くだと、屋上庭園に置いたものが排気ガスで黒くなることがあります。黒い粉が積もるという話も聞きます。立地にもよりますが、リスクとして考慮しておく必要があります。

色褪せや汚れが気になる

年月が経つと、劣化や色あせ、汚れが気になるようになります。使用頻度が高ければ、費用がかかっても大規模なメンテナンスをするのも1つでしょう。しかし、使用頻度が下がっていた場合、結局は費用がもったいなくて、劣化したまま放置されることになりがちです。

コストパフォーマンスが見合わない

家を建てるには、数千万円のお金がかかるため、屋上庭園で400~500万円といわれても、妥当と感じる方も多いでしょう。

しかし、500万円あれば、1回10万円のグランピングに年2回、25年間は行けます。グランピングなら、色んな場所を訪れ、ふだんと違う景色を堪能することもできます。

数千万円のうちの500万円というとらえ方をせず、旅行やグランピングと比較した上で、コストパフォーマンスが見合うかどうかを考えてみてください。

覚悟があるなら屋上庭園を作っても楽しめる

屋上庭園のデメリットばかりを述べてきましたが、本当に使い倒す覚悟がある人なら、屋上庭園を作っても楽しめます。

実際に、屋上庭園に植栽を入れ、照明を設置して空間にこだわり、暮らしを楽しんでいる方もいます。

週末ごとの掃除やお手入れを、ガーデニングやアウトドア感覚で楽しめるなら、屋上庭園を作って後悔することはないでしょう。

ただし、「何となく素敵」「あるといいかも」といった感覚で屋上庭園を作るのはおすすめしません。

屋上庭園の代替案①「2階LDKに面したバルコニー」

「アウトドアリビングやアウトドアダイニングに憧れる」「新築したマイホームでおうちキャンプやBBQを楽しみたい」という方におすすめなのが、「2階LDKに面したバルコニー」です。

2階LDKの横に広々としたバルコニーを作れば、プライバシーを確保しつつ、アウトドアリビング・アウトドアダイニングとして楽しめます。キッチンが近いので、BBQの準備や片付けも楽ちんです。

こちらの施工事例では、造作でベンチを作り、間接照明を仕込みました。造作ベンチがあれば、晴れている日にリビングからクッションやブランケットを持ってバルコニーに出るだけで、優雅で素敵な時間を過ごせます。

リビング併設のバルコニーで大きな窓をつけると、視線が抜けてLDK全体が広く見える効果もあります。

バルコニーなら、電動オーニング(日よけ)をつけたとしても、全体でコストは100万円以内におさまります。

また、本格的なアウトドアファニチャーを置きたいなら、屋根をつけてインナーバルコニーにするのも良いでしょう。半分だけ屋根をつけてインナーバルコニーにし、部分的に青空を楽しめるようにしておくのもおすすめです。


バルコニーについては、コチラの記事もチェック!

アウトドア好き必見!注文住宅ならではのバルコニー活用

屋上庭園の代替案②「広々としたデッキスペース」

敷地面積に余裕があり、視線対策が可能なら、1階LDKとフラットにつながるデッキスペースを作ると良いでしょう。

こちらの施工事例では、外に向けて広がる個性的な形のウッドデッキを作りました。視覚効果で、より広く開放的に感じられます。

庭にはリゾートチェアを配置し、南国の風が感じられる素敵な空間にしました。

デッキならキッチンからもアクセスしやすく、BBQなどの準備も楽ちんです。写真左手には、ブラジル出身のご主人のこだわりで、シュラスコ専用グリルを造作しました!友人を呼んでホームパーティを開くのも素敵ですね(^^)

施工事例について、詳しくはコチラの記事をチェック!

BBQ専用グリルと露天のジェットバス――故郷のスタイルを尊重したお家

屋上庭園の代替案③「中庭というプライベート空間」

敷地面積に余裕はあるものの、周囲を住宅に囲まれていて、視線対策が難しいケースがあります。そんな時は、中庭を作りましょう!中庭なら、周囲の視線を気にすることなく、家族だけのプライベートな時間を過ごせます♪

こちらの施工事例では、ウッドデッキのナチュラルな中庭を作りました。植栽を眺めて、季節の移ろいを感じることもできます。中庭でハーブや野菜を育てるのも素敵ですね。

LDK併設の中庭なら、行き来しやすく、LDKの開放感もアップします。中庭に面した開放的なカウンターデスクで勉強やテレワークをすれば、脳が活性化され、素敵なアイデアが生まれることでしょう。

施工事例について、詳しくはコチラの記事をチェック!

中庭で楽しむ光と緑の饗宴――自然素材の家でアウトドア暮らしを叶えよう

こちらの施工事例では、デッキと人工芝を組み合わせたリゾート風の中庭を作りました。デッキの下に間接照明を仕込むことで、夜はぐっとおしゃれな雰囲気に。友人を呼んで、夜のホームパーティをするのも素敵ですね。

タープやハンモックなど、アウトドア好き・リゾート好きの心をくすぐるアイテムがいっぱい!休日にのんびり、中庭でハンモックに揺られてくつろぐ……そんな至福の時間を過ごせます♪

お子さまの遊び場としても、大活躍間違いなしです!

こちらの中庭について、詳しくはコチラの記事をチェック!

【子育てと家づくり⑥】家族が集える中庭のある住まい

屋上庭園の代替案④「リゾート風の家創り」

リゾート風の空間に憧れているなら、屋上庭園でなくても、夢は叶います。

こちらの施工事例では、リゾートをテーマに家創りをしました。家族が長い時間を過ごすリビングをリゾート風にすれば、毎日をお気に入りの空間で過ごせます!

大きな窓を配置し、内と外のつながりが感じられるようにすれば、開放感もたっぷりです。

海外のリゾートホテルのようなパウダールーム。ピクチャーウィンドウを通じて、中庭のグリーンを楽しめるようにしました。

ストーンベニヤを用いたリゾート風のトイレ。ストーンベニヤとは、石を薄くスライスし、シート状に加工した資材のことです。本物の石ならではの質感が、インテリアを格上げしてくれます。

施工事例について、詳しくはコチラの記事をチェック!

開放的な空間でリゾートのような暮らし――ご先祖さまを大切にするお家【前編】

開放的な空間でリゾートのような暮らし――ご先祖さまを大切にするお家【後編】


家創りで大切なのは、「自分は何が好きか?」「どんな時に幸福を感じるか?」「どんな空間で、どんな過ごし方をしたいか?」といった本質的な想いを見失わないことです。

「屋上庭園がほしい!」と思った時、そこでどんな過ごし方をしたいのか、それは屋上庭園でしか叶えられないのか、もう一度立ち止まって考えてみてください。そうすれば、自然と色んな選択肢が見えてきます。

CUSTOM HOMEでは、お客さまとの対話を通じて本質的な想いにフォーカスし、理想を叶える家創りをすることを大切にしています。家創りでお悩みの方は、お気軽に私たちにご相談ください。